忍者ブログ
「 140文字の物語 」
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

科学者は数字を見て狼狽する。
生命体がいるとは思えない数字が赤く点滅している。
それなのに、動く生き物がいる。
それは生命体と呼んでよい物だろうか。
科学者はノイズだらけのスクリーンを凝視する。
それはまるで巨大な森のようなものだった。
這うように歩く姿に科学者は心を失った
PR
ここでも嫌われた。
「残念だったね」と小妖精が言った。
醜い風貌が邪魔をして定住できずに時を過ごしている。
穏やかな村を旅立つ。
見送ってくれたのは風だけだった。
強風を受けながら、どこか自分を受け入れてくれる場所に向かって歩きだす。
きっとどこかに安らげる場所があるはずだ
珈琲
本当は珈琲よりも紅茶の方が好き。
でも彼が珈琲が好きだから、カフェに入ると牛乳たっぷりのカフェラテを頼む。
少しでも彼に近づきたくて。
彼が頼むのは本日お勧めのブレンドコーヒー。
砂糖もミルクもなし。
近づきたいけれどブラックは私の舌にはほろ苦い。
幼少の頃から猫と共に育ってきた。
沢山の猫と暮らす日々は、楽しい記憶と切ない記憶が半々だった。
猫については誰よりも詳しく知っているつもりだった。
あの子が知らない男子に猫の飼い方を訊いていた。
それが悔しくて歯噛みする。
僕の方が詳しく説明できるのに選んでくれなかった。
見間違うはずがない。
前世から恋しい人なんだから。
最後の日「死なないで」とお願いしたのに、私を守って命を散らした。
そんな人を忘れるはずがない。
平和な世で再び巡り会えたことが奇跡。
現世では義理で縛られずに、恋を成就させたい。
誰よりも幸福な恋人同士になってみせる。
昔は堂々と、両手のひらに触れることができた。
バスケでシュートが決まった時は抱き合うことすらできた。
でも、今はできない。
男と女だからだ。
思い出の中では軽々しくできたのに、膨らんできた胸がそれを邪魔した。
並んで歩くことすらできなくなる日がくるのだろうか。
それは悲しい
昼下がり、彼は微睡んでいた。
それを偶然、見つけた少女は忍び足でソファに近づいた。
眼鏡をかけていない彼は子供の頃と変わらない。
それが嬉しくなって、写メる。
その音で彼は瞳を開けた。
焦点の合わない瞳で少女を見た。
すぐに冷静さを取り戻して、彼は眼鏡をかけた。
いつもの彼だ
ブルーの薔薇がよく似合う姫は、その色そのもののように冷酷だった。
棘があって誰もさわれないようだった。
誰もが傷つくことを恐れて、遠巻きに見つめている。
姫の心は公平で平等なのに、育て上げた乳母しか知らない。
年頃の姫には縁談が一通も舞い込まない。
それを乳母は悲しんだ。
せっかくの日曜日だったが、頭痛がして寝込んでいた。
家族のみんなにはそれぞれ用事があるらしく、留守番役を任された。
薬のおかげで、うつらうつらしているとインターホンが鳴った。
頭に響く音だった。
痛みを堪えながら、玄関のドアを開けた。
カーネーションの花束が目に入ってきた
-
瞼を閉じても眠れない。
今日見た彼女の微かな笑顔が何度もリプレイする。
初雪のように淡い表情の変化だった。
それが彼女らしくて、目に灼きついた。
僕に向けられた笑顔じゃなかったけれども、それでも僕の心臓をドキッとさせるのには十分だったようだ。
今夜は眠れそうにない。
酷いめまいと戦いながら、どうにか帰宅した。
ソファに横たわる。
ただの貧血だろう。
夕ご飯を作る気になれずに、電話をする。
6コール目に出た彼は面倒くさそうな声をしていた。
事情を話して、お惣菜を買ってきてもらうことをお願いした。
朝、ご飯だけでも炊いておいてよかった。
満月が天頂に来る時刻だった。
昨日と明日の間。
本当の意味での真夜中だった。
こんな時間に呼び出されたら、多少の期待はする。
友達からステップアップできるんじゃないかと思ってしまう。
彼女の手に触れると、ぎこちなく、俺の手のひらに爪を立てられた。
無視して俺は手を繋いだ。
痛みが引いていくような気がした。
ただ撫でられているだけなのに、痛み止めを飲んだ気分になる。
痛む背中を優しく撫でる手はお医者様も敵わない。
どれぐらいの時間そうしていたのだろうか。
痛みは和らいで、気にならなくなった。
「ありがとう」とお礼を言うと不思議そうな顔をする。
秒針とにらめっこ。
アナログの時計の秒針は滑るように時を刻む。
その軌跡をなぞる。
あとちょっとで日が変わる。
今日は時の流れがやけに長く感じる。
長針と短針が重なった。
作っておいたメールを送信する。
ハッピーバースデー。
君が生まれてきたことが最高の幸福だから、ありがとう。
耳鳴りが続く。
耳鼻科で処方された錠剤を飲む。
しばらくすれば効いてくるはずだ、と自己暗示をかける。
海岸を歩いているような耳鳴りが続く。
毛布にくるまっても耳鳴りは治まらない。
原初の海を恋しがるように、雨の日は耳鳴りが止まらない。
目をぎゅっとつぶってやり過ごす。
PREV ← HOME → NEXT
忍者ブログ [PR]
 △ページの先頭へ
Templated by TABLE ENOCH