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「 140文字の物語 」
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悪い予感はしていた。
でも大丈夫だろうという根拠のない自信があった。
台所でスーパーの袋を見て、絶望の方が比重が重くなった。
揺れ動く心を抑えて、スーパーの袋を開く。
そこには無惨にも中身が飛び出した鶏卵があった。
固くガードしていたパックも元の形状を保っていなかった。
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彼女が泣き顔で、両手を握り締める。
こんな最後は嫌だなぁと思った。
握り締められた手に温かい涙が降り注ぐ。
目を開けているのも辛くなってきた。
それでも彼女の顔を見ていたくて、目を必死に開く。
これでお別れなんだろうか。
思ったよりもあっけないなぁと思いながら目を閉じた。
最近、口を開けば「忙しい」ばかり。
「おはよう」とメールを送っても返信は返ってこない。
最後にデートした2ヵ月前。
このままフェードアウトして行っちゃうのかなと思うと胸が痛くなった。
呼び鈴が鳴って扉を開けてみると、花束を抱えた配達員。
プレゼントは直接渡して欲しかった。
天球染物師になったばかりの少年は鋭い目で材料を見つめていた。
どれも厳選した材料だ。
今の自分にはこれ以上の素材を揃えることはできないだろう。
釜から湯気が出て空を染めていく。
青空はより高く、暑く。
雨上がりには虹が見られるようにと工夫を凝らした。
楽観視はまだ出来ない。
幼なじみの部屋に入ると、空調が利いてた。
布団で寝ていた幼なじみが起き上がろうとしたのを手で制す。
「寝たままでいい。すぐに帰る」と俺は言った。
幼なじみは「寂しい」と言った。
布団の中にある手を握ってやろうとしたら、幼なじみの方からそっと指先をぎゅっと握ってきた。
雑貨屋さんでハンカチを見ていた。
タオル状のもの、絹を使ったもの、麻を使ったもの。
思ったよりも種類があった。
肌触りを考慮して、ガーゼタオルを選んだ。
ラッピングしてもらう。
どの色のリボンをかけてもらうか、また悩む。
店を出ると「遅い」と怒られた。
約束の時間は過ぎていた
雨水まじりの風が冷たく吹く。
傘を差しても横から入ってくる雨を防ぎようがなかった。
奪われていく体温。
震えながら、看板に目をやる。
ラーメンという4文字が目に飛び込んできた。
この寒さだ。
さぞかし美味しいだろう。
傘をたたむと、のれんをくぐる。
立ち込めた湯気に、腹が鳴った
はた迷惑なご令嬢が忘れ物。
鍵のついた日記帳だろうか。
ピンク色の表紙は恋に恋する年齢の乙女に相応しいものだった。
日記帳を届けに、坂道を登る。
洋館のノッカーを叩こうとして、ドアが向こう側から開く。
「あら、御機嫌よう」令嬢は早口で言った。
日記帳を見せると、赤面した。
試験で80点以上取れたなら、遊園地に連れていってあげる。
という言葉を信じて勉強を頑張った。
そのご褒美が、今目の前にある。
昼の遊園地は行楽日和だけあって混雑していた。
はぐれないようにと繋いだ手が温かい。
嬉しくて頬がゆるみっぱなしになる。
勉強を頑張った甲斐があった。
雲の上には楽園があるという。
神様が住んでいて、死んだ人たちはそこで毎日楽しく過ごしているという。
雲の上に行って、帰ってきた人はいない。
それだけ楽しいところなのだろう。
幼なじみは雲の上に行くと言って、旅立ってしまった。
ついていけば良かった。
どうしても未練が残る。
感動の長編映画という看板つきの映画を観に行った。
話題作だから手ごろに楽しめると思った。
感動なんて取ってつけた物だろうと思っていた。
いざ映画が始まると、声を出して泣きたくなった。
映画館のマナーは知っているから、必死に喉で噛み殺すが震えは止められなかった。
涙した。
サーカス団が船に乗ってやってきた。
今回は3か月の滞在予定だという。
これといって娯楽のない開墾惑星にとっては祭りだった。
大人も子供も楽しんだ。
そして3か月目がやってきた。
夜更けにピエロが微笑む。
それが寂しくて子供たちは勿論大人たちも涙ぐんだ。
サーカス団は出発する。
溶けてしまうぐらいに暑い真夏日。
彼女は、先ほどまでニコニコと笑っていた。
今は泣きそうになりながら、俺の指を軽く握る。
ひんやりとした冷たい指先は心地良かった。
地面には彼女が食べていたアイスの残骸が落ちていた。
「はいはい、次のコンビニに寄るよ」と俺は小さな頭を撫でた
手のひらサイズのクッキーを焼いた。
自分にしては良いだと出来栄え。
ちょっと焦げちゃった一枚を食べる。
バターの香ばしい匂いとさっくりとした食感が美味しかった。
残りを綺麗にラッピングして可愛い紙袋に包む。
一つだけリボンをつける。
受け取ってはくれないんだろうなと思う。
季節代わりの風邪をひいて、高熱を叩きだした。
家族から外出許可は得られなかった。
紅葉狩りを楽しみにしていたのに、留守番を言いつかった。
薬を飲んでうつらうつらとしていると、行かなくて正解だったと思う。
お荷物決定だった。
タルトをお土産に買ってくるというので楽しみにする
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