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「 140文字の物語 」
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時は聖歴758年のことであった。
ようやく聖者が宿る器が誕生した。
器は厳重に管理された。
今までのサンプルたちとは違う。
見間違いすることはない。
それだけ何重ものテストをおこなってきたのだ。
聖者の器も成人を迎える。
いよいよ聖者の精神を器に転写することが出来る。
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確か自販機が公園にもあったよな、という曖昧な認識で俺は夕方の公園に寄り道をした。
そこでブランコをめいいっぱい満喫している学級委員長と出会った。
お互い顔を見合わせて、ばつ悪く笑った。
自販機でジュースを買って、退散しようかと思ったが、委員長が「秘密にしてね」と言った
梅雨の一休みで晴れた。
近所の公園まで出ていこうか、と彼女が提案した。
否応もない。
帽子をかぶって、外に出た。
彼女も薄手のパーカーを羽織って、紫外線対策は完璧だった。
満面の笑みを浮かべながら、彼女は俺の腕にしがみつく。
ちょっと暑かったが、嬉しくて振りほどけない。
神剣・神楽を持ち出した少女は見た目よりもずっと幼い精神だと分かった。
神剣・神楽さえあれば何とかなると思っていたようだ。
中途半端に伸びた髪を結んでいたヘアゴムがぷつりっと切れた。
背中を斬られたのだ。
大怪我を負って少女は大泣きした。
その幼さごと守ると改めて決意した。
二人は静かに読んでいた。
片や音符が並んだ楽譜。
片やライトノベルを読書していた。
会話を交わすこともなく、さりとて離れて座るわけでもなく。
仲良くそこにいた。
ライトノベルを読み切った少女は少年を盗み見る。
譜読みは難航しているようだった。
眉間にしわが寄っていた。
お祭りに浮かれる年齢じゃなくなったけれども、活気あふれる景色を見るのは好きだ。
屋台が並び、浴衣姿の女性たちが歩いている。
祭り会場に近づくにつれ、熱気を帯びてくる。
祭り太鼓の音が聞こえてきた。
真夏の情景としては完璧だろう。
記念にしておきたくてデジカメで景色を写す。
課題が終わらなかったので、朝早く登校した。
ホームルームが始まる前までには終わるだろう。
俺は教室のドアを開けると、クラス一の美少女が机に座っていた。
「おはよう。朝、早いんだね」と軽く会話をする。
今日ついている。
俺は単純に喜んだ。
「数字に弱くて」と美少女は言った。
布団を並べて眠る。
お泊りは久々だったので、ちょっとだけ緊張した。
布団の中を幼なじみの手が潜ってきた。
さりげなく、私の手のひらを触れる。
温かい温もりに鼓動はますます速くなる。
「手つないで寝ようよ」と幼なじみは無邪気に言った。
断るも変だと思い「そうだね」と返事をした
胡蝶を捕まえた。
虫かごに入れて部屋のインテリアにした。
胡蝶は繊細な翅は美しく、魅惑的だった。
時が流れて、胡蝶は息絶えた。
目覚めたら、静かに胡蝶は倒れていた。
あの日、青空を舞っていた胡蝶を捕まえなければ自由でいられたのかもしれない。
見送る者もいないまま死んだのだ。
婦人の薬指には深紅の指輪がはまっている。
宝物なのは見ていれば分かった。
親しい人に贈られたものだろう。
婦人が指輪を外している所を見たことがない。
婦人には深紅の指輪が良く似合う。
他の指輪では駄目なのだ。
婦人に贈るものが決まらない。
それが悔しくて歯噛みする。
クラスメイトと虫アミと硝子の瓶を持って森に出かけた。
学校のすぐ側の森では、天使を捕まえることが出来るらしい。
危険な可能性があるので虫かごではなく、硝子瓶にした。
天使は何でも願い事を叶えてくれるらしい。
クラスメイトとどんな願いを叶えてもらうか、真剣に話し合う。
開園前から待っていただけあって、遊園地はそれほど混雑していなかった。
彼が私の手を握る。
心臓が早鐘を鳴らす。
「コースターに乗るんだろう?」彼の問いに私は頷く。
急ぎ足でアトラクションに向かう。
やっぱり列ができていた。
「食べとけ」と飴が出てくる。
そんな優しさにときめく
ペットボトルも空になってしまった。
汗が背中を伝う。
自販機の隣に設置してあったダストボックスにペットボトルを捨てる。
この後カフェに寄る予定だということを思い出し、購入を見送る。
ぎこちなく、彼女が指先を指先でつついた。
「暑いから、手つなぐの嫌?」
彼女の手を掴んだ。
二人揃って夕焼け空を見上げていた。
夜になる一歩手前が二人には似合っていた。
恋人同士と呼ぶには距離がある。
友達同士と呼ぶには近すぎる。
昼とも夜ともつかぬこの時間がしっくりとくる。
どちらも最初の一歩を踏み出せないでいた。
だからこそ夕焼けが切なく見えた。
黄金色の花弁を持つ花を見て、決心した。
今日こそ気持ちを伝えよう。
花屋で花束にしてもらう。
持ち歩くには派手な物だったが、今は気にならない。
待ち合わせ場所にいた彼女は腕時計を見つめていた。
息を弾ませて僕は「お待たせ」と花束を差し出す。
「ありがとう」と彼女は赤面した。
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