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「 140文字の物語 」
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固定の着信音が鳴った。
神剣・神楽を持ってきた少女のみの着信音に携帯電話を開いた。
メールが一通届いていた。
『敵に接触しました』と短い文章が青年の心臓をわしづかみした。
中途半端な長さの髪をヘアゴムで結ぶと、神剣・神楽を手にした。
これから交戦するのだと決意を新たにした
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あちらこちらで、まだ煙が立っている。
戦火が駆け抜けた後は無惨な光景が広がっているばかりだった。
生き残った人々は瓦礫の山を崩し、火を消している。
その作業すら霞んで見えた。
戦火は日常を一瞬で奪っていった。
終わりが見えない作業の中で、生存者が増えることを祈る。
人生は見えないゴールに向かって走っていくようなものだ。と、かつて師が言っていた。
レールを引かれたような人生を歩んでいた自分にはピンと来なかった。
覚えておきなさい、と柔らかに師は言った。
レールが切れた今、ゴールを探す自分に深く突き刺さった。
早朝の庭は長袖でちょうどいい。
名残りの薔薇を眺めながら散策を楽しむ。
貸切の庭は恋の庭。
手を繋ぎながら会話を楽しむ。
今日見た夢、これからやりたいこと。
甘い芳香に包まれながら、二人は歩いていく。
ふいに少女が立ち止まり、青年の裾を引く。
瞳を閉じた少女の額にキスをした。
ベッドの上でうつらうつらとしていた。
人の気配がしたが、起きる気がしなくてそのまま瞼を伏せていた。
遠慮がちに、指を軽く握ってきた。
震えた指が可哀そうに思えて瞼を開いた。
目を潤ませた幼なじみがベッドの横に座っていた。
俺は手を強く握り返してやる。
涙がポロリと零れ落ちた
「あなたには私の気持ちが分からないよ!」と私は親友に言った。
何でも持っている親友には、みじめな自分の気持ちなんて分からない。
「じゃあ、教えて」と親友は言った。
私は最低なことを言った、と気がついた。
「あなたの気持ちが知りたいの」と親友は言った。
私は改めて感謝した。
長々と書いたメールをDeleteした。
恋は終わったのだ。
未練がましく書いたメールは届かない方が良い。
別れるなら綺麗な思い出になるようにした方が良い。
今日はシャワーじゃなく湯を張った。
湯船の中に入って、初めて泣けた。
終わってしまった恋に終わりを告げることが出来た。
季節は秋。破壊しつくされた城にやってきた。
きれいな可能性を探していた。
欠片でも美しい物がないか、少年は廃墟になった城を見て回った。
夕暮れが迫ってきた。
カランっと軽い音がした。
音の方向を見ると少女が立っていた。
少年は魔法をかけられたように、その瞳に恋をした。
水銀体温計の赤はぐんぐん伸びる。
単純に風邪をひいたのだろう。
味覚も鈍く、食事をしたいと思わない。
けれども薬を飲むためには胃に何かを入れなければ、と階段を下りる。
「お兄ちゃん、お粥できたけど食べるよね」と妹が言った。
無言で頷き、椅子に座る。
お粥は美味しく感じた。
未だかつて朝、目覚めたことがなかった。
どんな早き方法も続かない。
眠り姫のように昏々と眠ってしまって、起きることが出来ないのだ。
起き続けて徹夜をしても、朝日が昇れば眠ってしまう。
夏至が近づき眠る時間が長くなってきた。
朝の爽やかさを知らず、満たされないまま眠り続ける
ゲネプロは朝、行われることになった。
本番さながらの照明を浴びながら、舞台の上で泣き出す。
私は今は恋を知ったばかりの女子生徒だ。
制服に身を包み、恋の苦しみを嘆く。
「ストップ!」演出の声が劇場に響く。
「今のシーン、冒頭から」と鋭い叱責が飛ぶ。
私は偽りの涙を流す。
馬鹿しかかからないという夏風邪にかかった。
ベッドの上で横になっていた。
熱からくるだるさはちっとも解消されない。
ノックもなしに扉が開いた。
幼なじみだ。
「今日のプリント持ってきたよ」親切に言う。
幼なじみは優しく、俺の両手のひらを握る。
「早く風邪が治るといいね」
ある日、自分の目が悪くなったのかと思った。
窓辺に座る女子生徒がきらりと輝いて見えたのだ。
目の錯覚だろうか。
目をこすっても変わらなかった。
本を読む彼女の周りだけ輝いて見えるのだった。
視線に気づいたのか彼女は顔を上げて俺を見る。
心臓がトクンと跳ねた。
恋に落ちたのだ。
「医者でも治せない病にかかったようだ」と真剣な表情でクラスメイトが言った。
「どうすれば治るの?」あまりに真剣だったので、こちらも真剣に訊いた。
「その口唇を拝借できれば」とクラスメイトは真剣に言う。
遠回しの恋の告白に私は心から笑った。
「どうぞ」と瞳を閉じた。
仮想現実もリアルと変わらなくなってきた。
まだ味覚が未対応で、残念だ。
食事することを忘れて、リアルで餓死することを恐れての対応だろうか。
廃人と呼ばれる人々の間には、救急車で運ばれたという武勇伝がひそかに語り継がれている。
視界の端でランプが点灯した。
食事の時間だ。
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