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「 140文字の物語 」
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初めから希薄な遊びだった。
ただ何となく暇だからやっていただけだった。
遊び仲間も同じ意識だろう。
ただ一人違っていた。
それぞれの楽器で音を旋律に変える。
即興のアンサンブルは時間と共に消えていく。
それだけだ。
散り散りになる仲間に、熱意を持っていた若者が裏切り者と叫ぶ。
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独りで波打ち際を歩いていた。
遥か彼方に人影があった。
まるで自分を待つように、人影は海の上を漂っていた。
手招きをされて、海の中を歩いていく。
まだ冷たい海水が体を浄化していくような気がした。
人影は嬉しそうだった。
そこまで辿り着けたら、自分も笑顔になれるだろうか。
事あるごとに子供のくせにと言う。
大人の貴方から見れば、半分しか生きていない私は子供だろう。
背伸びをしていても届かない距離がある。
それでもこうして話ができるし、手だってつなげる。
いつまでも子供扱いしないでほしい。
貴方の一番の理解者は私なんだから。
地震にも耐えた松が景観を理由に切り倒された。
署名運動をしたものの、結果は無視された。
切り倒される日、足を運んだ。
もうこの景色に松はいなくなるのだと思ったら、自然と涙が溢れてきた。
こちらの想いとは裏腹に作業は淡々と進んでいった。
景色から松は完全に消え去った。
緑のミントが乗ったチョコケーキは見るからに美味しそうだった。
思わず1ピースお持ち帰りをしてしまった。
ダイエットをしているはずなのに、ついつい誘惑に負けてしまう。
体重計に乗っては意識をしているのだけれど、食欲はとどまることを知らない。
今日もカロリーオーバーだ。
曇が空を覆い景色はくすんで見えた。
何のこともない昼下がり、携帯電話が鳴った。
中途半端に伸びた髪をヘアゴムで結ぶと神剣・神楽を持つ。
始祖が宿るという化け物殺しの神剣だ。
走って面倒事が起きている現場に到着する。
「もう大丈夫だ」震える少女に声をかけた。
少女は破顔した。
ドキドキしてうきうきする。
このまま空の上まで飛んでいっちゃう気がする。
地面を歩いているのに、ふにゃふにゃした雲の上を歩いているような気がするのだ。
こんなに浮かれていて大丈夫なのだろうか。
今日は特別な日。
記念すべき初デートの日なのだ。
浮き足立っても仕方ないよね。
目を覚ましたら、まだ黎明だった。
二度寝する気分じゃなかった。
ドレッサーに向かって化粧をすることにした。
化粧下地を塗りながら、今日も暑くなりそうだと思った。
リキッドファンデーションを取り出す。
携帯電話が鳴った。
こんな早朝にある用事は碌なことがない。
聞きたくない。
彼女が包丁を持った時から予測できたことだった。
今は緑野菜に格闘していた。
小松菜を等間隔に切るだけなのに、なぜかぶつ切りになっている。
納得いかない様子だ。
ボールに入れて、水洗いをしている。
栄養素がどんどん抜けていく。
そっと覗き見している俺の心臓が持ちそうにない。
夜な夜な酒場に通う。
アルコールに依存していたんだと思う。
買った酒はどれもこれも旨かった。
酒瓶片手に道を歩いていたら、少女が蹲っていた。
「連れてって」と涙目で少女は言った。
一緒に暮らしてみると生活は一変した。
愛おしい存在となった少女のために酒を飲むことがなくなった
買い物袋を下げながら、アパートの外階段を登る。
あれもこれもと買っていたら、だいぶ遅くなってしまった。
階段でうつむく人影が街灯に照らされて浮き上がっていた。
人影は顔を上げ、イヤホンを抜く。
ゲームをしていたようだった。
「お帰り」
「来るなら電話してよ」と私はぼやく。
乗換駅で彼女を見つける。
混雑しているホームで小柄な彼女はどこか頼りない。
整列乗車して、電車に乗る。
通勤通学ラッシュで電車は混んでいた。
彼女に手を差し出す。
彼女は遠慮がちに、俺の手のひらにしがみつく。
つり革に手が届かない彼女を支える。
挨拶代りの日課だった。
いつも足早に通り過ぎる商店街だったが、今日は駆け足にならない。
何故だろうと考えてみたら、結果は単純だった。
手を繋いで歩いているからだ。
私のゆっくりとしたペースに合わせてくれているんだと思ったら、面映ゆい。
昨日まではただの友達だったから、足早だったんだと納得する。
甘い香りはどこか懐かしい。
ドレッサーの前には香水瓶が所狭しと並んでいる。
どれもフローラルフルーティな香りだ。
他の種類の香りはない。
プレゼントで貰った物もあるけれど、どれも似たような香りが揃っている。
懐かしい香りは現在、悪臭に感じる。
腹に宿った生命が拒絶する。
バカな罠にかかったもんだよ。
部屋が一つ破壊されてしまった。
宇宙船の中の一部屋は地上の一部屋の何倍もの価値がある。
狭い船内がさらに狭くなってしまったことに頭を抱える。
アラートも鳴らなかったし、AIも無反応だった。
やっぱりB級品のシステムは手を出すもんじゃない。
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