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「 140文字の物語 」
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「もっと安全な所に行った方が良い」
「あなたの傍が一番、安全です」
今日も堂々巡りのやりとりを朝から交わした。
中途半端に伸びた髪をかきながら、どう説得したものだろうかと考える。
同族殺しの争いは激化していく。
平穏が続くのを祈るように過ごす毎日だ。
神剣・神楽が忌々しい。
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真っ黒な部屋で過ごしていた。
そこは妖達が巣食う屋敷の一部屋だった。
人間の血肉を好む頭領がある日、禁を破った。
「私に続け」と命令して、幾人かは人間を食い殺した。
私は神剣・神楽を抱えて部屋を飛び出した。
使い手は一目で分かった。
神剣・神楽ごと胸に飛び込んだ。
彼女が緊急搬送された。と留守電で知った。
幸い明日は休日だった。
お見舞いに本でも買っていこうと決め、その日は眠った。
軽めの文庫を数冊持って、病院に向かった。
初めてのことではないから病室まで辿り着いた。
白い布団に寝かされたぎこちなく、彼女の腕に触れる。
彼女は微笑んだ
幼なじみと花見に来た。
桜が散り際で、そよと吹く風でハラハラ散っていく。
その儚さが幼なじみと被さって見えて、ドキリっとした。
散る桜が幼なじみを連れ去ってしまうのではないか。
そんなことを思ってしまう。
はぐれたら大変だから、とこじつけて手を繋いだ。
力なく握り返された。
ドロドロした感情はお腹の中で結晶化する。
鍋にくべられて丸くなるまで揺すられる。
今日も優しくできなかった。
友達は上手に他人に優しくできているのに自分だけできなかった。
悔しさはお腹の中で結晶になる。
夜眠る前に思い出してはお腹が疼く。
優しくできる日が来るまで続く。
今日は晴れて良かった。
絶好の行楽日和だ。
メリーゴーランドに乗る幼なじみもご機嫌だ。
楽しそうにアトラクションを制覇していく。
それに付き合いながら俺の顔も緩んでいるだろう。
最後は観覧車に乗った。
ゆっくりと地上を離れていく観覧車の中で、残り五秒の子ども時代が終わった。
昼の遊歩道を手を繋いで歩いていた。
彼女の興味はあちらこちらにあるらしく、手を繋いでいないとはぐれてしまいそうだった。
彼女に引っ張られれるような形で、昼の散策を楽しむ。
ずれかかった眼鏡を中指で押し上げる。
たまには活動的な彼女に合わせるのも悪くないと思った。
掃除をしていたら、埃をかぶったアルバムが出てきた。
埃を払って、縁側に持って行く。
縁側では幼なじみがアイスを美味しそうに食べていた。
軽々しく、指を指先でつつく。
幼なじみは振り返る。
ちょうど同じ構図の写真を見せる。
子供時代と変わったのは身長ぐらいなものだろうか。
誰の心の中にも小さな種が植わっているそうだ。
その形は様々で育ち方もバラバラだそうだ。
小さな種は時期が来れば、芽吹き、花を咲かすそうだ。
みんな違っているのにその花は『恋』と呼ばれる。
どんな形をしていて、どんな色をしていて、どんな香りがするのか、咲くまで分からない。
無人ロケットは暗闇の宇宙空間に向かって発射された。
雲一つない青空の日に、無人ロケットは無事、宇宙空間に辿り着いた。
管制塔は湧きあがった。
それも一時のこと。
無人ロケットは小惑星のサンプルを取るために、これから長い旅路につくのだ。
無事帰還できるのか。
悩みは尽きない。
俺はその時、古ぼけた写真を見ていた。
天使症候群が流行る前の写真だ。
当然の如く、写っている人々には翼がなかった。
天使症候群は蔓延している。俺の背にも亀裂が走っている。
「絶対、助けるから」と幼なじみは言ってくれた。
でも白い翼を生やした幼なじみは「ごめんね」と笑った。
幼なじみが軽々しく、腕を軽く握ってきた。
汗をかいた肌がしっとりと馴染む。
背中を伝う汗を何とかしたいと思いながら、幼なじみを見る。
「ちょっと早足。ゆっくり歩いて」と小柄な幼なじみは言った。
暑さで上の空で歩いていたから、歩幅を忘れていた。
「気をつける」と手を繋ぐ。
誕生日プレゼントに腕時計を貰った。
暗に遅刻魔だと言われているような気がして、微妙な気分になった。
次のデートは遅刻しないようにしなくちゃな、と思った。
案の定、遅刻した。
謝り倒して許してもらった。
「腕時計にしたのは一緒に時間を刻めるからだよ」と腕を見せる。
同じ時計だ
ブランコはいつでも順番待ちだ。
お昼ご飯を食べる私は、列に並んで順番を待つ。
男の子が私の前に割り込んだ。
何も言えずにブランコをこぐ男の子を見つめ、涙を流した。
お昼の自由時間は終わりになってしまった。
帰り際、男の子は花を持ってきて「ごめんね」と言った。
私はゆるした。
世界は優しい暗闇に満ちていた。
輝くものは何一つなかったけれども、温もりがあった。
静寂を打ち破るような音がした。
布団から抜け出して、カーテンを開ける。
世界はわずかな光を取り戻す。
窓際にぺたりと座り込んでしまった。
雨はすぐに止み虹が出た。
虹を見るために立ちあがった。
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