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「 140文字の物語 」
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原石のままでは輝きが生まれない。
結晶は修正を経て輝きを持つ。
磨かれた結晶は乙女の胸を飾ったり、金持ちのカフスボタンになったりするだろう。
さらに輝くために。
職人は原石を手に取る。
どこを研磨すればいいのか、明かりに向かってぐるりと一周させる。
キラリと原石は光った。
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今日は頭痛がひどい。
グラスに水を注ぐと白い錠剤を飲む。
生温い水が喉を通っていくのが分かった。
携帯電話をマナーモードに設定しなおすと、ベットに倒れ込むように潜った。
しばらくすると雨音が室内を包み込むように聞こえてきた。
薬が効くのと、雨が去るのとどちらが早いだろう。
いつまでも思い出は優しく。
隣で笑っていた君はもういない。
それぞれの道を歩んでいる。
あれほど離れがたく思っていたのに、今は懐かしく想うだけだ。
いつかまた巡り会えたなら、必ずその手を離さない。
優しく、指先を触れ合わせるだけの関係だったけれども、大人になった自分は違う
白波をなぞるように海岸線を歩いていた。
寄せては返す波はまるで原初の海を思い出されるようで、旅愁に駆られる。
もう還ることはできない場所に行ってみたいと思う。
波が耳にざわめきを残す。
まるで帰りたい、還りたいと言っているように聞こえてくる。
陽が傾き始め、涙した。
考え始めたらドキドキしてきた。
やることは単純なのに、汗が出てきた。
彼女がちょっとでも嫌がったらやめる。
嫌われないか不安になってきた。
さりげなく、彼女の指と俺の指を触れ合わせる。
ビクッと震えが伝わってきた。
横を歩く彼女の顔を見ると赤面していた。
俺は指を握りこんだ。
待ち人は坂道を登ってくる。
さりげなく朝の挨拶をする。
それから学校まで並んで歩く。
昨日見たドラマや宿題がどこまで進んだかが話題だ。
取りとめもない時間がとても貴重で大切だった。
私たちは友達以上恋人未満の関係だった。
仲は良いけど一歩が踏み出せない。
さりげなくが難しい。
パソコンで調べ物をしていたら、黎明と呼ばれる時間になっていた。
調べ物はまだ見つからなかったが一息入れることにした。
レースのカーテンを開いて、窓を開ける。
早朝ならではの澄んだ空気に触れあう。
パソコンの前に戻り調べ物を始める。
ちょっとは進みそうだ。
そんな予感がした。
鍵盤を叩くようにさりげなく、彼女は両手のひらを指先でつついてきた。
聞こえなかったメロディはどんなものだろう。
彼女が奏でたら、それは愛情に満ち満ちたものだろう。
鍵盤で聴きたかったと思った。
その伴奏でヴァイオリンを奏でてみたかった。
二人だけで幸福を満喫したかった。
隣で深く寝息を立てている幼なじみを見る。
見るからに気持ち良さそうに午睡を取っている。
こちらは緊張して眠れないのに、良いご身分だと思った。
生まれた時からお隣さんで何から何まで知っているような気がする。
けれども、全然知らない心のスペースがある。
自分にもあるのだから。
そよと吹く風に真っ赤になった頬を撫でられた。
鼓動はどんどん早くなるばかりだ。
『告白』というものがこんなに大変なものだとは思わなかった。
答えが返ってくるまでの時間がとてつもなく長く感じた。
「今日からよろしく」と言われて、持っていたプレゼントを落としてしまった。
落葉を踏みながらの散策だった。
落ち葉と落ち葉がこすれあう音を聞きながら、思いにふけるのが好きだった。
今は取りとめのないお喋りを聞くことが好きになってきた。
さりげなく、指をぎゅっと握られた。
「私、ここにいてもいいんだよね」と彼女は不安げに言った。
「当然だ」と答えた
雨合羽に身を包むと、昇降口を降りる。
誰にも見られないように、家とは反対のバスに乗る。
すぐにタラップを降りると、彼が待っていた。
彼の顔にも笑顔が広がっていた。
それを見れて幸せだと思った。
忍びあいでしか会えない二人だけど、それでも十分だった。
彼の手が私の手を包み込む
-
「君が好き」そんな単純な言葉が上手く言えない。
視線はいつでも君を折っているのに。
目が会うとつい逸らしてしまう。
君という存在が僕を支えてくれる。
怖くて逃げ出したくなるような事柄だって、君を守ることに繋がるなら耐えられる。
今日こそは想いを告げたいと思うんだけれども。
-
幼なじみが俺の名を呼ぶ。
あと何度、聞くことが出来るのだろうか。
穢れなき声が、透明な声が俺の名を綴る。
名を呼ばれるたびに、幸福に満たされる。
たぶん幼なじみはそんなことを知らない。
どんなに嬉しいのか。
どんなに喜んでいるのか。
また幼なじみが俺の名を呼んだ。
満月の晩、世界は光で満たされていた。
庭伝いに幼なじみがやってきた。
沓脱石に置いてあったスニーカーを履いて庭に出る。
小柄な幼なじみの手を引いて、庭を歩く。
小さな歩幅に合わせてゆっくりと夜の庭を巡る。
満月の光に浴びた幼なじみは儚げに見えた。
消えてしまいそうだった。
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