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「 140文字の物語 」
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空を真っ黒にする嵐がやってくる。
空を流れる雲が早い。
急ぎ足で家に向かう。
窓を閉めて、雨戸を下す。
雷を伴った雨がトタンの屋根を叩きだす。
音はどんどん大きくなっていき、世界はそれだけの音で埋まってしまったようだった。
ふいに電灯が消えた。
私は震えながら携帯電話を開く。
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ランプ片手に屋根裏部屋に上がる。
もう一方の手には淹れたてのコーヒー。
天窓から差し込む月光が優しかった。
ランプとコーヒーを床の上に置くと、本棚から分厚い本を抜き出す。
栞の挟んであるところから、頁をめくる。
本の中の主人公になる瞬間がとても好きだ。
コーヒーをすする。
彼は小さな姪っ子と遊んでいた。
両手を繋いで、グルグル回っている。
微笑ましい光景だったが、私には納得がいかない。
私と一緒にいるよりも楽しそうな笑顔を浮かべている。
童心に帰っているのだろう。
それでも私は満面の笑みを浮かべながら、輪に割り込んで彼の両手のひらに触れる。
起きたら独りだった。
青年の気配はどこにもなかった。
神剣・神楽もなかった。
独りで戦いに行ったんだ。と気がついて涙がこみ上げきた。
何の力にもなれないからせめて戦う姿を見守ろうと思っていたのに。
今の私ではお荷物ということだろう。
青年が怪我をしていないか心配だった。
涙を流しながら歩いていたら、親切な人に声をかけられた。
優しく差し出されたハンカチを断り、自分のハンカチで涙を拭った。
理由を訊かれたけれども答えられなかった。
今、口に出したら言霊となって涙の原因の人を苦しめてしまうかもしれないから。
親切な人は心配そうに去っていった
入院生活にも慣れてきた。
規則正しい生活にも慣れてきた。
面会時間の華やかさには慣れない。
ベットの上で本を読んでいたら、カーテンを開けられた。
面会人なんて来ないと思っていたのに。
「来ちゃった」と少女が言った。
軽々しく、少女は両手のひらを両手で包む。
「元気そうだね」
床を堅い革靴の音が響く。
腕時計を見ると、時間ピッタリだった。
「行きましょう」と革靴の主は言った。
「時間通りだね」少女は言った。
「当然です。貴方が時間通りなのが驚きでした」革靴の主は淡々と言った。
「どういう意味?」少女は革靴の主を睨みつけた。
「そのままです」
見事に囚われた少女に溜息が出た。
「ご機嫌よう」と手拍子を打ちたくなるように敵が鮮やかに舞う。
鞘で受け止める。
神剣・神楽を包んでいた布が破れる。
同族殺しの魔剣を抜刀する。
中途半端に伸びた髪が揺れる。
剣と剣がぶつかり合う。
受け流しながら弱点を探る。
剣を三度受ける。
気温が体温を超すような昼下がり。
床の上で胡坐をかいて、本を読んでいた。
パチリッと爆ぜるような気配を感じて顔を上げると、幼なじみが庭伝いにこちらに来るのが見えた。
「スゴイね。どうしてわかったの?」幼なじみと、しばし見つめ合った。
「特徴的だからな」と俺は答えた。
二人はソファに並んで座っていた。
レンタルしてきたDVDを鑑賞していた。
夏だし、涼しくなるだろうとホラーを借りてきたのが間違いだった。
画面から目を逸らせないが恐怖で心臓は早鐘を打っている。
平然としている彼をちょっと憎む。
私はぎこちなく、両手のひらにしがみついた。
今日は年上の従兄とデートだ。
両親から羽目を外さないように、お目付け役としてつけられたのであっても嬉しい。
従兄は一見取っつき難いように見えるけれども優しい人だと知っている。
いつでも見守ってくれている。
転びそうな階段では手を差し出してくれるし、車道側を歩いてくれる。
羊皮紙に誓いを書きあった。
お互いを裏切らず、終生の友であると。
それから間もなく戦が始まった。
友とは敵同士になってしまった。
最後に会った晩、友は誓いが書かれた羊皮紙を切り裂き、暖炉にくべた。
「戦場で会ったら、遠慮するな」友は言った。
友が敵に回ったのは痛手だった。
最初の遊びは空に光る橋を架けることだった。
初対面で消極的な性格同士だったから、簡単な遊びも二人にとっては大きな課題だった。
光る橋が架かった時思わず抱きしめあった。
それから歳月は流れ、光る橋を架けることは簡単になっていた。
それなのに君はいない。
独りで架けた橋を見る
最初の遊びは空に光る橋を架けることだった。
初対面で消極的な性格同士だったから、簡単な遊びも二人にとっては大きな課題だった。
光る橋が架かった時思わず抱きしめあった。
それから歳月は流れ、光る橋を架けることは簡単になっていた。
それなのに君はいない。
独りで架けた橋を見る
神剣・神楽を押し付けてきた少女が次に押しつけてきたのはヘアゴムだった。
黒色のシンプルなデザインのヘアゴムを持って少女はヘラリと笑う。
「お揃いなんですよ」とポニーテールにした髪を見せる。
「たくさんあって困るものじゃないでしょう?」
確かにそうだったので受け取った。
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