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「 140文字の物語 」
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待合室でぼんやりと座っていたら、隣に座っていた年配の女性から話しかけられた。
どちらかと言うと静かに待っていたかったので、女性の話に適当に相槌を打つ。
話に付き合っていると、女性はキャンディを渡してきた。
牛乳味のキャンディは年齢に合わない。
いくつに見られたんだろう。
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少女が嬉しそうに、指先にしがみついてきた。
あまりに無邪気な態度に、少年は困ってしまった。
いつも通りの微笑みを浮かべながら、振り払えない手を見る。
「さあ、行きましょう」少女は少年を外に誘いだす。
少年は机を振り返る。
そこには読みかけの本が乗っていた。
少年は諦めた。
一方的に与えられる快感に、不満が残る。
双方が高め合った末にある快感とは違う。
自分だけというのが、不平等だと思った。
自分にも快感を与えたいと思う。
稚拙ながら頑張るものの、心地良い止まりで快感まで高められない。
それが悔しくて、くりかえし行為を重ねてしまう。
歓声が上がった。
歓喜の声が聞こえた。
たった一人、天球染物師の少年だけは厳しい顔をしていた。
悔しさが瞳に残っていた。
空を新しい色に染めるのが彼の仕事だった。
夏の終わり、秋の始まりの空を染めていたが、どうにも納得ができなかった。
やり直しがきかない仕事だけに、きつい。
勇者と呼ばれた少年と魔法使いと呼ばれた少女がいた。
二人は敵討ちという目的で結ばれていた。
多くの人々が敵討ちに出たが残ったのが二人だけだったのだ。
二人に与えられたクエストは池に剣を投げ込むことだった。
敵討ちは終わったのだ。
少年と少女は最後の関係から解放された。
どこにいても繋がるようになってしまった。
電波が距離を縮めた。
どんな遠く離れていても、タイムラグなしに会話ができるようになってしまった。
テレビ電話を使えば、すぐ向こう側に座っているような錯覚すら起こる。
人は簡単に繋がる手段を得た。
待つ喜びはなくなってしまったのだ。
「鉛筆貸して」隣の席の女子が言う。
僕は無言で削りたての鉛筆を差し出す。
「ありがとう」と女子は言う。
これで何回目だろうか。
物の貸し借りが挨拶のようになっている。
隣の席になってから毎日のような気がする。
程なくして鉛筆は返ってきた。
「消しゴム貸して」との発言に宙を仰ぐ
敵が揺らめく。影追いながら剣を交える。
「神剣・神楽もこんなものなのかしら?」蠱惑的に敵は笑う。
敵の中でも神鍵・神楽の名は轟いているらしい。
「これからが本番だ」青年は柄を持ち直す。
斬れ味が上がったのが伝わる。
何度目かの交わりに敵がまた笑う。
「さよなら」
痛みが走った
寂しいという一言から、喧嘩に発展した。
握り締めた携帯電話は熱くなってきた。
逢えない距離を埋めるように、口喧嘩は啜り泣きに変わっていく。
また寂しいに戻ってくる。
彼が離れていかないように、夢中になって言い募る。
電話口の彼は静かに「ごめん」と言った。
私も素直になる。
携帯電話のカメラ機能でパシャリっと一枚撮った。
撮った写真をメールに添付する。
送信ボタンを押して、完了だ。
被写体が目を覚ました。
「今、何か撮った?」弟が言う。
「カメラ音が聞こえたんだけど」となおも言う。
「ブチを撮ったんだ」と飼い猫の名をあげ、取りつくろう。
木の葉が落ちて道を隠していた。
踏みしだくと朽葉特有の香りがした。
隣を歩く少女が唐突に「手、貸して」と言った。
堂々と、手のひらを触れ合わせる。
「やっぱり男の子だね。手が大きい」と少女は悔しそうに言う。
少年は逆に少女の手の小ささに驚いた。
背丈はそれほど変わらないのに
夏の夜と言えば肝試し。
誰が言い出したのか分からないがそういう運びになっていた。
夜の墓地はひっそりとしていてそれだけで雰囲気たっぷりだった。
同じ数字を引いた者同士がペアになって、墓地に入っていく。
自分のペアは不愛想なクラスメイトだった。
無事に帰ってこれるのだろうか
夕方になってから朝刊を開いた。
新聞が目当てではなく、折り込み広告が見たかったのだ。
さらに言えばスーパーの特売情報を知りたかったのだ。
醤油と味噌を切らしている。
馴染みのスーパーでセールをしていた。
しかしもう一店舗はポイント加算だという。
二つのスーパーの間で揺れ動く
深夜にそっとラジオを聴く。
独りではないと知るために。
今日はたくさん失敗した。
もう取り返しがつかないかもしれない。
何度も思い起こしたから、涙は枯れ果てた。
ラジオから明るい曲が流れてきた。
耳を傾けているうちに、明日も頑張れるような気がしてきた。
冷えた西瓜を食べながら、夏の日差しを浴びていた。
隣のポニーテールの少女も美味しそうに西瓜を食べていた。
ここ数日、平和が続いていた。
神剣・神楽も飾り物になっていた。
ふと隣を見ると、少女が泣き顔で、両手を握り締めてきた。
突然のことに驚く。
「嬉し泣きです」と少女は笑う
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