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「 140文字の物語 」
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戦いは無事に勝利した。
敵は様子見がてらだったのだろう、殺し合いまで発展しなかった。
流石に神剣・神楽があっても無傷と言うわけにはいかず、大小の怪我を負った。
少女は遠慮がちに、両手に触れる。
「また守ってもらいました。ありがとうございます」少女は泣き笑いの顔で言った。
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「こっちの方が近いよ」と少年は言った。
少女は首を横に振る。
「こっちの道の方が夕焼けがキレイなの」
帰り道、二人は手を繋いで歩いていた。
遠回りになるけれど少女の選んだ道を歩く。
橙色の太陽が沈んでいくのは美しかった。
「一緒にいられる時間が長くなるでしょ」と少女は言った
彼の瞳には彼女は瞬く星に見えるに違いない。
私は路傍の石。
蹴られても気づかれない存在だろう。
悔しさはたっぷりある。
蹴られた石に自分を重ねる。
いつまでも仲良しの三人組を続けるのが苦しくなってきた。
夜空に瞬く星になりたい。
誰かの瞳で輝いていたい。
そう思ってしまう。
夕方に染まった廊下は静かだった。
あらかたの生徒は下校して、残りは部活動に勤しんでいるのだろう。
そのどちらにも当てはまらない二人は暮れ行く景色を眺めていた。
少女が優しく、少年の両手を指先でつつく。
少年は微笑んで少女を見る。
少年は少女の細い指先を慎重に握り締めた。
白金色の頭髪の少年は、廊下に貼り出されたテスト結果を確認すると、足早に立ち去ろうとする。
少女は結果を見る前に、結果を知ってしまった。
今回も負けたのだ。
悔しくて涙が出そうだった。
たかがテストの点数だ。
実力を出し切ったならそれでいいと思えないほど少女は幼かった。
ミカンをくれるというので雨合羽を着て、幼なじみの家まで行った。
玄関を開けると、壁に幼なじみがもたれかかっていた。
「遅い!」叱責の言葉が飛んできた。
「ごめん。これでも急いできたんだけど」
「ほれ」幼なじみはスーパーの袋に入ったミカンを差し出す。
結構な重量を受け取る。
「無事で良かったです」背にかばわれていた少女は言った。
結界はすでに溶け、市街地ならではの賑やかさを取り戻していた。
神剣・神楽は布で巻く。
少女は泣き顔で、青年の指を両手で包む。
「本当は戦って欲しくないんです。わがままですよね」と少女は言う。
「そんなことはない」
白金色の頭髪の少年が女生徒から手紙を受け取っていた。
二人は二、三言喋って女生徒が涙を流しながら、走り去っていった。
告白の現場に立ち会ってしまった少女は、どういう表情を浮かべればいいのか分からなかった。
告白をされたことがない自分と差があるのに、苛立ちを覚えた。
月光を浴びながら和やかな会話を少女と交わしていた。
チクリと首筋に殺意を感じた。
「どうしましたか?」少女は不安げに見上げてきた。
「敵が近くにいる」と青年は言った。
念のためと持ち歩いている神剣・神楽が律動していた。
間違いがない。
青年は少女を背にかばい、抜刀した。
雲の上には死神が通う高校があった。
死に行く人が未練を残さず、天国に行くために、死神は様々なアプローチをする。
それを習うための高校だった。
どんな授業かは門外不出なので、死神になった者しか知らない。
他の職業から見たら魅惑的な高校だ。
けれども適性があれば誰でも通える。
バイクの音が騒々しい。
逆十字架の大ぶりなピアスをした青年が「やぁ」と手を挙げた。
「今日こそ、神剣・神楽はいただいていくよ」と青年は笑った。
「勝てたらな」と同族殺しの魔剣を抜刀する。
ピアスをした青年は飛び退く。
神剣・神楽の斬れ味を記憶に植えつけられているらしい。
思ったよりも力強く、彼女は指を指先でなぞる。
「この手が私だけの物だったら良いのに」と彼女は可愛らしいわがままを言う。
「この手は人を助けるための手なんだよね」と彼女は寂しそうに言った。
「今はお前の物だよ」と俺は言った。
そして彼女の細い指を握った。
彼女は微笑んだ。
初めて敵【同胞】を斬ったのはいつだっただろうか。
神剣・神楽を使うのに慣れてきた。
敵を殺すことに躊躇がなくなってきている。
このままでは精神がヤバくなるのが分かっている。
それでも敵は襲ってくる。
防戦一方ではいられない。
中途半端に伸びた髪をヘアゴムで結び改めて決意する
椅子にもたれかかっていたらしい。
目覚めて背中が痛いことで気がつく。
蛍光灯はついたままだった。
ダイニングで帰りを待つ間に眠ってしまったようだ。
待ち人が帰ってこない夢を見た。
まだ指先まで余韻が残っている。
悪夢だ。
テーブルの上に置き去りのお茶を飲む。
喉がごくりと鳴る。
宇宙葬で埋葬されたカプセルは宝箱だ。
前時代的な物が閉じ込められている。
アンティークを扱う自分にとっては楽園だった。
今、欲しいのはPSPだ。
動かなくても、船に戻って改造すればゲームができるだろう。
カプセルに近寄る。
少女が眠っているようだ。
希薄な可能性に賭けてみる。
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