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「 140文字の物語 」
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煌めく星空に虜になった少年は、やがて背が伸び、その分だけ知識が増えた。
青年と呼ばれる年齢の頃には、一角の研究者になっていた。
同じ年頃の子供たちが遊んでいた頃、彼は本に向かっていた。
少しでも憧れの地に行けるように目指していた。
青春すべてを研究に捧げたのだった。
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少年は少女と出会ってから、見つめ続けていた。
春夏秋冬、巡る季節の中で真っ直ぐに見つめ続けていた。
指先一本触れずに、ただただ見つめ続けていた。
少女が振り返ることはなかったけれども、少年は満足していた。
毎日、飽きもせずただ一人の人として見つめ続けていたのだった。
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青年の語る話は難しすぎて、たまに追いついていけなくなる。
困り顔をしていると、青年は気がついて分かりやすい言葉でもう一度、最初から話してくれる。
そんな優しい青年が好きだと気がついたのは、だいぶ後になってからだった。
お茶の香りに包まれながら、今日も青年の話を聞く。
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少女の隣に少年がいる光景が当たり前になってきた頃。
じゃじゃ馬も娘らしくなってきたようじゃないかと、少女をよく知る面々は言い出した。
闊達なところは変わらないけれども少年が隣にいると、乙女らしい仕草をするようになったのだ。
些細な差ではあったけれども、周囲は喜んだ。
どちらも緊張していた。
二人が夜、一緒にいることが初めてだったからだ。
「明朝にはたちます」少年の声が夜風に乗る。
それを聴いた少女は目を潤ませる。
彼も戦に出てしまうのだと思うと、自然と涙が零れた。
「必ず帰ってきます」と少年は約束をした。
「絶対よ」少女は涙を拭い言った
忘れられた神殿を訪ねる。
重苦しい空気が漂っていた。
最後にこの神殿を訪れたのはいつの頃だったろうか。
花が飾られ、蝋燭には火が灯されていた。
今は蜘蛛の巣が張り巡らされ、埃が沈殿していた。
冷たい空気が肌を撫でる。
自分の足音だけが響く。
曇った硝子に人影が写り、驚く。
ソファで午睡を堪能していた。
室温は心地良く、かけているCDはお気に入りのものだった。
それを妨げる存在が現れた。
微かにドアが開閉する音。
それはぎこちなく、目覚めを誘うように指先を触れる。
仕方なく、瞳を開けた。
「遊んで!」と昨日から泊りに来ている姪っ子が言った。
少年は真面目だから正直に話してくれるだろう。
誰よりも真剣に語ってくれるだろう。
偽りを述べないだろう。
解っているから、少女は訊けなかった。
少年からもたらされる真実に負けてしまいそうだったから。
絶対に訊けないと思った。
少年は少女を真っ直ぐに見つめる。
言葉はもれない。
新聞をポストからダイニングテーブルに届けるのは日課だった。
ダイニングテーブルで珈琲を楽しんでいる父が喜び、私の頭を撫でてくれる。
もう大人だから恥ずかしいと言っても止めてはくれない。
ポストに背伸びしなければ届かなかった頃からの日課だから。
私は明日も新聞を運ぶだろう
月が明るい夜だった。
帰り道を並んで歩いていた。
虫の音とお互いの足音だけが響いていた。
特に言葉を交すことなく歩き続けていた。
私はこの瞬間が好きだった。
自分の想いをぶちまけたいと何度、思ったことだろう。
リスクの高さが怖すぎて、今日も告白せずに帰り道を二人で辿る。
昼下がり、何とはなしに窓の外の風景を見ていた。
すると私そっくりの人間が真っ逆さまに落下していった。
驚きのあまり動けない。
今見たのは現実なのだろうか。
それとも暑すぎる太陽が見せた幻覚だろうか。
私は手を止めて窓の外を見続けた。
自分の呼吸音しか聞こえなかった。
退屈から肝試しをすることになった。
結構な人数が集まったのでペアになって墓地を一周してくることになった。
俺は同じ数字の紙を持った人物を探す。
幼馴染みの紙を覗きこむと同じ数字が書いてあった。
幼馴染みは怒り顔で、手のひらにしがみつく。
そういえば怖がりだったと思い出す。
思い出は色あせない。
少女と初めて会ったのは、黄昏時だった。
全てを赤く染めていく夕暮れの中、輝く双眸が少年を真っ直ぐに見つめてくれた。
心を射抜かれてしまった。
少年は少女のためなら、何でもできると確信した。
それは今も変わっていない。
奇跡のような出会いに感謝している。
正義とはなんだ。
勇者と呼ばれた少年は魔物を斬り殺しながら考える。
血で染まった手に苦悩する。
魔物が悪いことをしたのなら、ここまで悩むことはなかったのだろう。
両者のバランスを崩したのは人間の方だというのに。
魔物にも家族があると思うと胸が痛む。
それでも正義が駆り立てる
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白粉をはたかなくても、紅を塗らなくても、少女は美しい。
健康的に日焼けした肌は艶やかだし、感情が強く写る双眸は煌めいていた。
裳裾を引きずり、団扇で顔を隠して歩く姿を見て、少年は驚いた。
今まで知らなかった少女の一面を知ってしまった。
目を離せなくなってしまった。
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