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「 140文字の物語 」
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風が駆け抜けた。
一瞬で景色が緋色に染められる。
まるで戦場で鮮血を浴びたように、視界が赤で染まる。
風が去った後は、ゆっくりと紅葉が地面に落ちていく。
それを目で追いながら、ここは戦場ではないと確認する。
「凄い風だったわね」少女の笑顔を見て、心臓は落ち着きを取り戻した
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微炭酸の日本酒は心地良い酔いを提供してくれた。
夜道を歩きながら、飲み会を振り返る。
値段の割に豪華な宴会だった。
特に生ガキが美味しかった。
自腹ではなかなか食べられない物だ。
それだけでも行って良かったと思う。
丁寧な接客に、美味しい料理。弾んだ会話。
今日は良い日だ。
夜が安心だったのは過去のことだ。
青年は天井を睨む。
今日こそは安眠を手にしたいと思い、布団にもぐったが眠れない。
枕元の神剣・神楽が気になって眠れないのだ。
起き上がり、中途半端に伸びた髪をかく。
神剣・神楽は静かに眠っている。
敵は近くには潜んでいないようだった。
地球型の惑星を偶然発見したのはラッキーだった。
依頼人から鳥の化石をなるべく良い状態の物を頼まれていた。
この惑星なら見つけられそうだった。
ヘルメットをかぶって惑星探索を開始した。
目星はだいたいついている。
程なく最強のかけらを発見した。
依頼人も満足するだろう。
差し込む日差しも弱々しいものになり、葉も色づいた。
季節は過酷な冬へと着実に迫っていた。
嫌な咳が続く。
窓際に黒装束の死神が見えるようになったのは、そんな時だった。
たいして長くもない人生だったけれど、さよならをするのには未練があった。
花咲く季節に眠りたかった。
カラカラと教室のドアを開ける。
無人の教室は寂寥感が漂っていた。
昨日まで座っていた机の表面に触れる。
椅子を引いて座る。
黒板には担任からのメッセージが書かれていた。
三年間は短かった。と思い出と共に振り返る。
この学校に入学して良かったと思う。
友達もできたし夢もできた。
黄昏色をしていた日差しが落ちた。
畳の上でトランプを広げていた二人は、どちらともなく視線を合わせた。
風がそっと室内を旋回する。
夕方から夜になるのが早くなった。
夜は二人にはまだ早い時間だ。
もっと大人にならなければならない。
さよならを言うのが苦手な二人は黙りこくる。
神剣・神楽を押しつけてしまった。
それで青年の運命は変ってしまった。
もっと平和な暮らしを送るはずだった青年に、血みどろの非日常を押しつけたのだ。
過去にもそんな例はたくさんあったらしい。
見守ることしかできない少女は泣きそうになりながら、自分の両手を軽く握った。
目の前に置かれた神剣・神楽を見る。
適合者だからと同族殺しの乱闘に放り込まれた。
少女と出会った日が運命を変えてしまった。
気だるい日常は追いやられ、生命のやりとりをする戦場が日常になりつつある。
戦う意味を求めてまた朝が来る。
中途半端な髪をヘアゴムで結ぶ。
刀を握った。
映像の中で泣き顔の少年が座り込んでいた。
同じ年頃の少女がやってきて、少年の両手を指先でつつく。
構って欲しかったのだろう。
少年は涙を拭って、少女に話しかける。
少女はパッと笑顔になる。
映像はそこで途切れた。
懐かしい過去だ。
泣いていた理由も忘れてしまったぐらいに。
少女は元々華奢な体つきではあったが、ここ数日の風邪のせいで痩せた。
日向に当たるとより鮮明になる。
「好き嫌いをしていると、治るものも治らなくなるぞ」と説教くさいセリフが出てしまった。
少女は「そうだね」と小さく頷いた。
それがあまりにも儚げで、こちらの胸が痛む。
その映像は月光の下、バレリーナが躍る映像だった。
わざわざドビュッシーの月光がBGMに使われていた。
聞き飽きていたので「聞きたくない」と伝えるとBGMは消された。
沈黙の中、バレリーナたちの練習風景が流され続ける。
ひときわ輝く乙女を指さし「彼女がプリマだ」と伝える
隣の席が空席だった。
いつもだったら本を読んでいるつむじが見える。
物足りない気分でいると、教室がざわめく。
担任がホームルームにやってきたのだ。
担任は、私の隣の席は風邪で休むという簡素な連絡をする。
特に話をする間柄ではなかったが、隣の席が空いているのは胸が空虚になる
たったひとつ欲しい物が手に入らない。
白金色の頭髪の少年のせいだ。
万年一位様がいるせいで、いつだって二番手に甘んじている。
少女はテスト結果を貼り出された廊下で拳を握る。
責任転嫁だということは分かっている。
本当は自分の実力が足りないせいだということは分かっている。
負け戦が続き、士気は下がっていた。
生き延びるのが目標の戦いに分があるのだろうか。
そんな時に戦女神の化身のような乙女が現れた。
要塞は久しぶりに活気が湧いた。
乙女がいれば勝てるような気がした。
戦女神に重ねられた乙女は先陣を切る。
その戦から、破竹の勢いで勝ち続けた。
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