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「 140文字の物語 」
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夕方のベランダに並んで立っていた。
太陽は西の空に最後の光を投げかけていた。
今日が静かに終わる。
一番星が見えるのを待つ。
太陽が落ちた。
それと同時に宵の明星がはっきりと輝きを増した。
「今日もお疲れ様」隣にいた少女が言った。
「お疲れ様」と俺は言った。
少女は笑顔を見せた
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「今日はお誕生日でしょ?」と彼女が言ってきた。
デートプランは完璧に考えてきた。
彼女が喜びそうなところに行って、カフェでお茶をして、帰り間際にアクセサリーをプレゼントの予定だった。
「ずっと一緒にいて」と彼女は嬉しそうに、俺の指を両手で包む。
可愛らしいわがままだった
預かった甥っ子を図書館に連れてきた。
DVDも観られるし、CDも聴ける。子供コーナーには専用の本が充実している。
外で遊ぶよりも楽が出来るだろうと思った。
結果は予想以上だった。
甥っ子は眼鏡の奥の瞳を輝かして、図鑑を抱えてきた。
「読んでもいいの?」と甥っ子は仰いできた
思わぬ寒さに腕をさする。
口唇にくわえた煙草はちっとも暖かさをよこしてはくれない。
約束の場所で一時間、待ってみても来ないということはそういうことなのだろう。
携帯電話でメールをしてみる気にもなれない。
待ち人は今どこで何をしているのだろう。
充分すぎるぐらいに傷ついた。
「梨持ってきたぞー」幼なじみの家の玄関を開ける。
「ありがとう」台所からパタパタと幼なじみが走ってくる。
昼ごはんの準備中だったのだろう。
「お昼、食べていく?」幼なじみの提案に乗った。
どんな魔法がかかっているのか幼なじみの料理は美味い。
「美味しくなれって信じるの」
秋の全国大会は終わった。
我が演劇部は県大会進出という部活史上始まっての大快挙をなした。
先輩たちは卒業公演を予定しているらしいが、一応の区切りがついた。
引退する先輩たちに花を一輪ずつ贈る。
泣きそうになりながら、自分の両手をぎゅっと握る。
辛いのは先輩たちなのだから。
晴天に恵まれず、買ったばかりのデジカメは活躍の場がなかった。
これというのも台風のせいだ。
週末ごとにやってこなくてもいいだろうに。
律儀にやってきて大雨を降らせる。
仕方なくプリントアウトした写真の整理をしていた。
ひらりと一枚、テーブルから落ちる。
青空の写真だった。
「共同募金にご協力ください」駅前で少年少女が募金箱を持ち、言葉を繰り返していた。
学校単位でやらされたことがあったなと思いを馳せる。
懐かしくなって胸の辺りが熱くなる。
あの頃の仲間は何をしているのだろう。
募金箱に100円玉を入れると、スーツに赤い羽根をつけてくれた。
雨が続いて、客足が伸びない。
カウンターに肘をつき、溜息を零す。
カランカランと扉につけてあるベルが鳴る。
店番はピシッと背を伸ばす。
外套を被った男がカウンターにいてつくかけらを置いた。
この辺りでは見られないものだ。
わけあり品だろう。
「いくらになる?」男は訊いた。
中途半端な長さの髪をヘアゴムで結ぶ。
神剣・神楽を手に家を出る。
少女もついてきた。
ここ数日、敵の来襲が増えている。
今日も呼び出されて結果が引かれた土地を踏む。
少女とはここでお別れだ。
「必ず帰ってきてくださいね」少女の言葉が叶うといい、と思った。
神剣・神楽を抜刀した
ボタンが取れかかっていたので、久しぶりに針箱を取り出した。
針に糸を通してボタンを付け直す。
指に針が刺さって、思わず涙目になった。
「ただいまー」連絡なしに帰ってきた夫が狼狽する。
「何か仕事で嫌なことでもあった?」夫は訊く。
涙目だったのが驚きだったらしい。
地面にぶつかる。
背をしたたかに打った。
あばら骨が折れたような気がする。
神剣・神楽を杖のようにつき、立ち上がる。
結界の外にいる少女には見えなくて良かったと思った。
相手は複数。
神剣・神楽を持ってしても勝てるのだろうか。
今のところ五分五分というところだ。
可能性は低い。
「ちょっと目つぶっていて」と彼に言われて素直に目を閉じた。
左手の薬指に冷たい感触が通る。
「もういいよ」と彼に言われておそるおそる目を開いた。
そこにはガーネットの指輪がはまっていた。
「愛しています。僕と結婚してください」と彼は言った。
思わず目を潤ませてしまった。
のんびりとした昼下がり。
少女が衝立から顔を出した。
「遠乗りに行かない?」突然の誘いだった。
これから遠乗りをして帰ってきたら夜になってしまう。
今日は少女の兄が凱旋する予定だった。
それを出迎える準備に一部の人間は追われている。
すっぽかすつもりなのだろうか、と疑う。
いつでも一人きりだった。
それを孤独と感じたことはなかった。
それが少女がやってきてからというのも、世界が逆転した。
何より少女の無事を確認しなければならなかった。
誰かをかばいながら戦うということは難しかった。
それでも神剣・神楽が結んだ縁だ。
最後までやりきるつもりだ。
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