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「 140文字の物語 」
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春をイメージさせる黄緑色に染まった世界。
どこまでも歩いていけるような気がした。
仮想現実の世界は私に優しかった。
行きたい場所に行ける。
自分の足で歩いて行けることがとても魅力的だった。
モンスターの配置されていない始まりの場所は特にお気に入りだった。
今夜も眠れない。
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もうすぐ日が暮れようとしていた。
制服姿の少女の影を探す。
そんな広い公園ではないから、程なくして見つけた。
ブランコに座って神妙な顔つきをしていた。
すぐに声をかけるのは憚られた。
自動販売機でコーヒーとココアを購入した。
ゆっくりと近づくと少女の方も気がついたようだった
暖房の効いた部屋が心地よくて、ソファの上で転寝をしてしまったようだ。
揺すられて目を覚ました。
「怒っているんですからね!」少女が言った。
怒り顔で、両手のひらに触れる。
温かいぬくもりに眠気がやってくる。
「もう夕方ですよ!いいかげん起きてください」少女の声は尖っていた
「よろしくお願いいたします」敵は丁寧に頭を下げた。
浴衣姿の敵はまるで夏祭りの案内を頼むように穏やかだった。
それでも敵だ。
青年は中途半端に伸びた髪をヘアゴムで結ぶ。
それから神剣・神楽を静かに抜刀した。
敵もまた小太刀を構えた。
もう戻れない。
始まる戦いに腹を決める。
悔しさを乗り越えた先には歓喜が待っている。
積み重ねた努力は決して裏切らない。
未来に向かって懸命に羽ばたく雛鳥たちを導き手は慈しむ。
涙を零しても明けぬ夜がないように。
いつか必ず実がなるように。
切磋琢磨する雛鳥たちに期待を込める。
誰もが平等に愛されることを願って。
街の雑踏に紛れこんでしまったら、見つけてはもらえない。
どこにでもいるような普通の容貌をしていた。
トラウマになるような過去もなければ、家族も普通の共稼ぎだ。
普通に義務教育を受け、公立の高校に進学した。
お昼を一緒に食べるような友達もいる。
ドラマがない人生を歩いている
戦争に人が介入しなくなったのは、いつの頃からだろう。
無人の機械同士が争っている。
血の代わりにオイルが流れている。
正義の子供時代には、それが痛々しく感じたものだった。
機械のかわりに自分が戦うんだと思っていた。
本末転倒なことを本気で思っていた。
今は機械工になった。
青年は中途半端に伸びた髪をヘアゴムで結ぶ。
今日の敵は舐めてはかかれない。
脳裏に「死」という単語が過った。
泣き虫の少女を置いてはいけない。
生き残らなければならない。
青年は神剣・神楽を握る。
廊下を出ると少女が待っていた。
「行きましょう」少女は言う。
青年は無言で頷いた
必ず食べこぼすから、服は黒ばかりだ。
今もアイスを食べていて、こぼした。
溶けかけのそれはティッシュペーパーでは落ちなかった。
諦めて、アイスを食べることに集中する。
チョコレート味のアイスは濃厚で舌に絡みつくようで美味しかった。
セーターを脱ぐと洗濯のために立ちあがる。
星が明るすぎるぐらい瞬く夜だった。
墓場に一つ墓が増えたのは。
長らく仕えた主人が亡くなったのだ。
下僕は棺桶に花を一輪加える。
主人が好きだった百合の花。
思えば憂鬱な主従関係だった。
信頼に満ち満ちた美しい主従関係からは遠かった。
死という明確なラインが引かれて満足した。
満月が皓皓と輝く夜だった。
彼女の双眸は沈んだ太陽のような色をしていた。
「もう動けない」と彼女が弱音を吐いた。
歩き通しで疲れが出たのだろう。
わずかな希望に縋っての逃避行だった。
立ち止まるということは死を意味をしていた。
彼は彼女を背負う。
ぐらつきながら歩き出した。
神剣・神楽をもってしても完治しなかった怪我。
中立の病院で診てもらうことになった。
痛みで意識が朦朧としている。
落ちていく点滴を見ながら、今日の戦いを振り返る。
次はもっと上手く立ち回らなければならない。
少女がさりげなく、両手のひらを指先でつつく。
そこには笑顔があった
待ち合わせの時間よりも、早く着いてしまった。
いつものことだけど、今日のように冷えこむ日はキツイ。
コーヒーショップで時間を潰そうかと一瞬、考える。
コーヒー一杯分、飲む時間はあった。
でも、と考え直す。
彼もまた約束の時間より早く来たら、寂しい思いをするかもしれない。
布団からなかなか出られなくて、遅刻ギリギリに学校に辿り着いた。
朝ご飯を抜いてきてしまったことを後悔する。
隣の席の男子生徒が「ギリギリだね」と挨拶してくる。
「布団が気持ち良くって」と正直に答える。
男子生徒がポケットからチョコレートを差し出した。
彼はときどき優しい。
新聞を広げて、空色の布を切る。
一枚の布切れがスカートになるのだ。
ビロード生地の布は一目惚れしたものだった。
手ざわりが心地よい。
布の綻びは新聞紙の上に落ちる。
チクチクと針を進める。
完成像は頭の中にできている。
既製品と違い一点物だ。
針を置いて着てみる。
鏡の前で喜ぶ。
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