忍者ブログ
「 140文字の物語 」
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

雨女というものがあるのなら、それは私だろう。
出かける先々で、雨が降る。
楽しみにしていればしているほど、その日は雨が降る。
天気予報を裏切ってまで、雨は降ってくれる。
どこに行くのも、折り畳み傘は必須だった。
そして今日も雨が降った。
露天風呂につかりながら空を睨んだ。
PR
今日はお隣さんと駅で待ち合わせ。
家が隣なのに、待ち合わせをすることがドキドキに拍車をかける。
もうただの幼なじみじゃないんだと思うと頬が緩む。
今日は珍しくスカートをはいて、色つきリップを塗った。
変化に気づいてくれるかなぁ。
待ち合わせの場所まであと少し。
私の心も弾む
中途半端に伸びた髪をヘアゴムで結ぶ。
それから庭に出て、神剣・神楽の白刃に酒を注ぐ。
月のように青白い刃が濡れて静かに光る。
柄からは歓喜する様な律動が伝わってくる。
青年は横薙ぎに一閃する。
刃から酒が滑り落ちる。
青年は清められた白刃を鞘に納める。
次の戦いは近い。
運良く二人分の座席が空いていた。
素早く車内に入り、座席をキープする。
人波にもまれたのか、少し遅れて彼女がキープしていた席に座る。
「ありがとう」彼女は微笑む。
手袋を外して、コートにしまいこむ。
俺は遠慮がちに、彼女の両手に触れる。
予想通り冷たかった。
熱を分け与える。
少女との生活は刺激的すぎる。
何も知らずに育ってきたのだろう。
何をやらせても、ろくな形にならない。
食事一つとっても、新鮮な視点をもたらす。
食べたことがない、とじっくりと観察してから箸をつける。
その後、大騒ぎをする。
こんな美味しい物がこの世にあったなんてと喜ぶ。
会場にはたくさんの人が集まり始めた。
知らない顔が多い。
それだけ愛されていたのだろうと思うと、目にこみ上げてくるものがあった。
会釈をくり返しながら、目元をぬぐう。
「お時間です」係りの人が告げる。
親しかった人だけがドアの向こうに消える。
窓越しに空を仰ぐ。
煙が上がった
堅い感触に不快感を覚えて目覚めた。
朝の白い光が眩しい。
ずるりと毛布が体から滑り落ちた。
床に転がる酒瓶とおつまみ。
呑みなれないものを呑んだせいか、そのまま寝付いてしまったようだ。
吐息が白く凝った。
毛布を掛けてくれた人に感謝をしなければいけない。
思わずほほえむ。
口唇が離れた。
胸がきゅんとなる。
先ほどまでの温もりが遠ざかったことに寂しく思った。
何度、交しても落ち着かない。
視線は彼の口唇を追いかけてしまう。
ふと彼と視線が合う。
彼は気まずそうに辺りをキョロキョロと見渡す。
そんな仕草をされて私はうつむいた。
もう一度はないようだ
純白の雪が舞い始めた。
温もりが恋しくなって、自販機でココアを買う。
缶は持っているだけでも温かく、ホッカイロ代わりとなった。
雪を見たら待ち合わせの時間とかどうでもよくなってきた。
ココアの缶を撫でる。
ちょっと温くなってきただろうか。
プルタブを押し上げる。
湯気が立った
電車を乗り継いで海岸までやってきた。
海水浴場は活気にあふれていた。
さっそく水着に着替えて、浜辺に出る。
水着姿の彼女は新鮮だった。
「さあ、泳ぐぞ」照れ隠しに言うと、彼女がぎこちなく、両手に触れる。
「手、離さないでね」金槌の彼女らしい弱音が漏れた。
「勿論」と答える。
少女が手を差し伸べてきた。
青年は緩く首を横に振る。
「どうして?」あの頃のままの姿の少女に、青年の瞳は熱くなる。
「いけないんだ」と告げると少女は不思議そうな顔をする。
無邪気に誘う姿に過去を思い出す。
いつだって一緒にいた。
そんな頃を思い出す。
青年は涙した。
少年が会釈すると、少女は途惑いながら笑顔を浮かべた。
少年の胸が痛みを覚えた。
彼女は神が慈しむ戦姫神。
自分のような新参者が仲良くしてはいけないのだ。
先日、思い知らされたばかりだ。
親しげに微笑みかけないで欲しい。
自分が特別なんだと勘違いをしてしまう。
少年は微笑んだ。
トントンと控えなノック音がした。
時計を見れば、長針と短針がピタリと重なるところだった。
作業に熱中するあまり、就寝の時間を忘れてしまったようだ。
ドアを開けると、ぬいぐるみを抱えた少女が目を潤ませて立っていた。
用件は一目で分かった。
優しく、少女の手のひらを握る。
どこにいても目立つ存在というものがあるのなら、それは少女のことだろう。
少女が室内に入ってきただけで、少女に視線が集まった。
かく言う自分も少女に視線を送ってしまった。
少女はそれだけ華があり、特別な存在なのだ。
無理矢理視線を外す。
目の前の作業に取りかかろうと努力する
ブルーな気持ちでとぼとぼと歩いていた。
急に肩をつかまれた。
驚いて立ち止まる。
目の前には壁があった。
足元ばかりを見ていていたから気がつかなかった。
もう少しで衝突するところだった。
「ありがとうございます」振り返り礼を口にした。
学生服に身を包んだ少年は微笑む。
PREV ← HOME → NEXT
忍者ブログ [PR]
 △ページの先頭へ
Templated by TABLE ENOCH