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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
君は目を逸らしつつ、僕の腕を両手で包む。
その頬が赤いのは夕暮れだけではないよね。
君の手は僕の手より冷たくて、儚い気持ちになった。
迷子にならないように僕の腕に触れる君のうなじに口づけを落とした。
僕の頬も夕方だからと言い訳できないほど赤くなっているに違いない。
お揃いの二人だ
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海がない県に住んでいると、海を見ただけで嬉しくなる。
長いこと電車に乗って、何回も乗り換えて、海に辿りついた。
波打ち際を歩く。
人間が海を好むのは、生命が海からやってきたからだろう。
砂の感覚は柔らかく、靴に入りこむ。
それすら嬉しくって、はしゃいでしまう。
特別な一日になった。
近いようで遠い。
ふれそうでふれない。
それが僕と君の距離だ。
君と手を繋ぎたい。
そうしたら二人の関係は変わるかもしれない。
君は僕を意識してくれるだろうか。
わがままだと分かっている。
繋げない手。
ぎこちなく、両手のひらを握る。
今はまだこの距離でいい。
君の方から振り返ってほしい。
妖刀神剣・神楽。
押しつけられるようにして手にした剣だった。
同胞を殺すことができる剣は、血を求めて律動する。
どうやら裏切者の同胞が近くにいるようだ。
青年は鞘を払う。
柄を握り締め、周囲を見渡す。
警戒は本物になる。
逆さ十字のピアスをした裏切り者が屋上で笑っていた。
最近、異世界への渡航者が増えた。
生まれ育った世界が窮屈だからだろうか。
日帰り旅行をするような手軽さで、異世界を転々と渡るものが多い。
かくいう僕も休みの日は異世界を満喫している。
ふいに見知った顔を見つけた。
「偶然だね」と君は言った。
素晴らしい偶然だった。
「また次の世界で」
片づけをしていたら写真が一枚、出てきた。
インスタントカメラで撮られたそれは懐かしかった。
今は生意気になった幼馴染と並んで写っていた。
二人とも笑顔だった。
追憶にふけりそうになる。
けれども、この写真の後が思い出せない。
思い出は風化してしまったのだろうか。
どうしても引っかかる
少女の指先は絆創膏だらけだ。
慣れないことはするもんじゃない。
それでも手作りのお弁当を食べて欲しかった。
「吊革、掴めないだろう?」少年は手を差し出した。
「ありがとう」少女はお礼を言った。
少女は恥ずかしそうに、少年の腕に指を絡める。
まだまだ恋人同士としては未熟だなと思った。
-
君の涙はあたたかい。
誰かを思って泣く涙だからだ。
僕の涙とは違う。
静かに雫を零して、誰のことを思っているの?
僕以外の誰かなんだろうね。
それが分かっているから、僕の涙は冷たくなる。
それでも僕は涙を流す。
誰も見ていないところで。
君には絶対に見せない。
それが僕の少ない矜持だ。
君は嘘吐きだ。
空気を吐くように嘘を吐く。
僕はどれが本当か、見極めなければならない。
だいたいのところ騙されて、振り回される。
帰り道、別れる場所で「またね。好きだよ」と君は笑った。
だから僕は「また」と返した。
君が吐いた嘘と本当。
見抜けなかった。
ちょっとした口論になった。
いつもは楽しい帰り道も無言で足を進める。
自分から謝るのは悔しい。
でも、言葉を交わさずに帰宅するのはもっと悔しい。
スマホが振動した。
ラインに通知が来ていた。
一言「ごめんね」と送られてきた。
本当に悔しい。
和やかな微笑みを浮かべる。
心の中では嘲笑していた。
自分よりも劣っている人間を見るのは、楽しい。
優越感に浸れて、心地よいぐらいだった。
そのためになら、どんな作り笑いも浮かべられる。
きっと話し相手は気づかない。
それが喜びを増す。
思い返せば子供時代はわがままだった。
気に入らないことがあればすぐに拗ねた。
一緒に遊んでくれる友達にも酷いことをした。
堂々と、両手に爪を立てる。
それで気を引こうとした。
他の友達よりも一番でいたかったから。
痛いぐらいに爪を立てて泣かせたこともあった。
今でも思い出す。
白尽くめの部屋で少女は浅い呼吸を繰り返していた。
ベッドの側にいる青年は少女の手を繋いでいた。
そうしていれば別れずにすむと言わんばかりに。
強く握り締めていた。
少女はそんな青年を見て微笑んでいた。
永訣の時が来た。
「また次の世界で会いましょう」
それが少女の最期の言葉になった。
真っ赤な夕暮れが窓から差しこんできた。
白金色の頭髪が鮮やかに染まる。
それは美しい光景だった。
少女は一瞬、見蕩れた。
神様は不公平だ。
頭脳明晰な少年に、美しい外見を与える。
今回のテストも2位だった。
次こそ1位になって少年を見返してやる、と少女は心の中で誓った。
絶対に勝つ。
初めてのデートだった。
昼過ぎに駅に集合をして映画を観る予定だった。
背の高い彼はコンパスも広い。
一歩の大きさが違った。
置いていかれそうになる。
小走りになって着いていく。
子どものようにはぐれるからという理由で手を繋ぎたくない。
抵抗する心があるのは隠せない。
不器用な恋心だった
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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